親の預金が引き出せない?死亡後に発生する銀行トラブルと正しい対処法
親が亡くなったあと、 「生活費用が必要なのに、預金が下ろせない」 「葬儀費用を支払いたいのに、口座が凍結されている」 という相談は非常に多いです。 銀行口座は、死亡の事実を銀行が知った瞬間に 完全に凍結 され、入出金が一切できなくなります。 これは“だれか1人が勝手にお金を引き出す”ことを防ぐための法的な仕組みであり、避けられません。 本コラムでは、口座凍結の仕組み・解除方法・注意点・実際のトラブル例を徹底解説します。 🐼ぱんだはうすコメント 「凍結されたら“家族だから”引き出せる…は絶対にNG。必要書類をそろえるのが唯一の正しい道です!」
■ なぜ死亡後に口座が凍結されるのか? 銀行は「死亡=相続開始」と判断し、 相続人全員の合意なく預金を動かすことを禁止します。 凍結される理由は以下の3つ: 相続人の取り分を保護するため 無断引き出し・横領を防ぐため 遺産分割の協議が終わっていないため つまり、凍結は“家族を守る仕組み”でもあるのです。
■ 凍結はいつされる?家族の申告で即座にストップ 凍結のタイミングは次の通り。 銀行が 死亡の情報を知った時点 家族の届け出 新聞の訃報・役所からの情報 ATMの誤入力で気付かれることもある 事実上、避けることはできません。 ■ 凍結後にできなくなること 預金の引き出し クレジットカードの引き落とし 公共料金・家賃の自動引き落とし 送金・振替 年金受取 支払いが止まってしまう可能性があるため、早期対応が重要です。
■ 葬儀費用だけは一部引き出せる(ただし手続きが必要) 口座凍結後でも、 葬儀費用や医療費など、死後に必要な支払いに限り引き出せる制度があります。 条件 銀行所定の書類を提出 領収書・見積書の提出 妥当と判断される金額のみ 「家族だから自由に使える」と勘違いされがちですが、あくまで銀行判断です。
■ 凍結解除に必要な書類 銀行口座を解約したり、預金を相続するには以下が必須。 ● ① 死亡が確認できる書類 死亡届受理証明書 死亡診断書のコピー ● ② 相続人全員を確定するための戸籍 被相続人の出生〜死亡までの連続戸籍 相続人全員の現在戸籍 ※もっとも大変で時間がかかる部分 ● ③ 遺産分割協議書(相続人全員の署名押印) 「誰が預金を取得するか」を明確化 法務局で印鑑証明書の添付が必要 ● ④ 銀行所定の相続手続き書類 銀行ごとに違うため、窓口で説明を受ける必要があります。 🐼ぱんだはうすコメント 「預金だけでなく、証券口座・投信・貸金庫はさらに手続きが複雑。早めの準備が吉です。」
■ よくある銀行トラブル事例 ● トラブル①:兄弟の1人が勝手に引き出していた 死亡前に大きな引き出しがあると“特別受益”として争いになります。 ● トラブル②:戸籍が集められず手続きが半年以上ストップ 出生から死亡までの戸籍の取得は非常に手間。 特に本籍移動が多い人は注意。 ● トラブル③:相続人の誰かが協力しない 遺産分割協議書に全員の署名が必要なので、1人でも拒否すると前に進みません。 ● トラブル④:二次相続で急に預金凍結が増える 夫婦の一方が亡くなり、続けてもう片方が亡くれると、短期間に大量の口座が凍結されるケースも。
■ スムーズに引き出すためのポイント 戸籍収集は 早めに取り掛かる 相続人リストを作成しておく 口座の一覧を家族で共有 可能なら生前に預金の整理 公正証書遺言があると手続きが大幅に楽に 🐼ぱんだはうすコメント 「銀行は“書類が揃っているか?”だけを見ます。 書類準備さえ整えばスムーズに進みますよ!」
■ まとめ 銀行口座は死亡後すぐに凍結される 家族でも自由には引き出せない 凍結解除には「戸籍」「遺産分割協議書」など多くの書類が必要 担当者や相続人の対応によって大幅に時間が変わる 事前準備と情報整理がもっとも重要 不動産と同じく、預金も“相続財産”。 正しい手順を踏めば必ず解除されますので、焦らず進めましょう。