☆相続人が多いときの分割方法の選び方

相続人が多いときの分割方法の選び方|円満相続のための実践ポイント

相続人が多い場合、遺産分割は一気に難易度が上がります。人数が増えれば「意見の数」も増え、価値観や感情の対立も起こりやすくなるためです。 特に不動産が絡むと「分けにくい財産」であることからトラブルが長期化しがちです。ここでは、相続人が多いケースで押さえるべき分割方法の選び方と、円満に解決するための実践ポイントを詳しく解説します。

 

1|相続人が多い場合に起きやすいトラブル 相続人の人数が多いと、以下のような問題が頻発します。 ● 意見がまとまらない 評価額・分割方法・不動産の扱い…議題が多いほど衝突リスクが上昇。 ● 相続人の誰かが非協力的になる 書類にサインしない、相談に応じないなどで協議が前進しないケース。 ● 不動産をどう扱うかで揉める 「売りたい」「住み続けたい」という願望の対立が典型。 ぱんだはうすコメント 相続人数が多ければ多いほど、早い段階で専門家を交えることで時間と関係性の損失を大幅に回避できます。 特に不動産が主な遺産の場合、仲介現場で“まとまらず数年放置”のパターンをよく見ます。

 

2|相続人が多い場合の代表的な分割方法 ① 代償分割(誰かが不動産を取得し、他の相続人にお金を支払う) 不動産を誰か1人が相続し、他の相続人には代償金を支払う方法です。 メリット ・不動産を残したい人がスムーズに住み続けられる デメリット ・代償金の確保が必要 ・支払額を巡り揉めやすい ② 換価分割(不動産を売却してお金で分ける) 不動産を売却し、売却代金を人数に応じて分配する方法。 メリット ・公平性が高い ・人数が多いほど合意が取りやすい デメリット ・売却に反対する相続人がいると進まない ③ 現物分割(そのまま分ける) 土地を分筆して割り振る方法。ただし現実的に可能なケースは少ない。 メリット ・感覚的にわかりやすい デメリット ・分筆不可の土地では不向き ・価値が均等にならない ④ 共有分割(全員で共有する)※基本はおすすめしない 共有名義にする方法。ただし… デメリットが多すぎます。 ・勝手に売れない ・管理が煩雑 ・次世代の相続で人数が倍増し“解消不能”になりがち ぱんだはうすコメント 相続人数が多い場合、「換価分割(売却して分ける)」が最も揉めにくく現場では主流です。相続人間の公平性も担保しやすいからです。

 

3|人数が多い相続で“失敗しない”分割の選び方 ① 納得できる評価額を明確にする(不動産査定は必須) 複数社の査定を取ることで、妥当な相場を把握しやすくなります。 ② 誰が窓口になるのかを決める 相続人が10人いたとしても、全員で動く必要はありません。 代表者(まとめ役)を1人決めると進行が格段にスムーズになります。 ③ 感情の対立を避けるため“第三者”を挟む 司法書士/弁護士/不動産会社など、中立的な立場の専門家が入るだけで話し合いの空気が変わります。 ④ 不動産の取り扱いは早期判断が重要 放置すると老朽化、固定資産税、草木管理、近隣トラブルなどデメリットしかありません。 相続人数が多いほど、早期決断が将来の負担を減らします。

 

4|最終的にどの方法を選ぶべきか?結論 ✔ 公平性を重視する → 換価分割(売却) ✔ 誰かが住み続けたい → 代償分割 ✔ 土地形状が特殊 → 現物分割も検討 ✔ 共有名義は基本NG(後世に問題を残す) ぱんだはうす総括コメント 相続人が多い場合、「誰か1人の強い意見」よりも “公平で現実的”な落としどころを探すことが最重要です。 不動産は売却という選択肢がもっとも整理しやすく、相続人数が多いご家庭では結果として満足度が高くなるケースが多いです。 早めにご相談いただければ、相続人全員にとって納得できる道筋をご提案できます。

2025年12月13日