☆老人ホーム費用と相続財産の使い方

🏠 老人ホーム費用と相続財産の使い方 ― 資産を守りつつ最適な介護と相続を実現するために ―

高齢になった親の介護が現実味を帯びてくると、 「老人ホームの費用はどこから出すのか?」 「親のお金を使っても相続で揉めない?」 「不動産を売却して費用にあてても大丈夫?」 といった悩みが一気に押し寄せてきます。 実は、老人ホームの費用負担と相続財産の管理は密接に結びついており、 間違った使い方をすると “相続トラブル” につながるリスクが非常に高い分野。 ここでは、 相続財産を賢く使って老人ホーム費用をまかない、トラブルなく相続へつなげる方法 を徹底解説します。

 

1|老人ホーム費用は「誰が」「どこから」払うべきか? 老人ホームの費用の原則は以下のとおりです。 ● 原則:入居者自身の財産から支払う ・預貯金 ・年金 ・不動産の売却代金 ・生命保険の解約金 など、本人名義の資産を費用に充てるのが正当です。 ● 子どもが負担する義務は基本的にない 法律上、子どもは親の老人ホーム費用を負担する義務はありません。 (生活保護など「扶養照会」のケースを除く) ● 相続対策として費用を肩代わりするのは注意 例えば、子どもが老人ホーム費用を立て替えた場合、 その額は後に「寄付では?」「特別受益では?」と疑われ、 相続分割に影響する可能性があります。

 

2|親の口座から引き出すときの注意点 老人ホーム費用は、原則として 親名義の口座から支払います。 ただし―― 認知症が進むと、金融機関が引き出しを制限するケースがあります。 よくあるNG行為 親のキャッシュカードと暗証番号を子どもが使う 親の意思確認が曖昧なまま出金依頼をする → 後に「勝手に使い込んだ」と相続人から疑われる原因になります。 対策 本人が理解できるうちに「任意後見契約」を結んでおく 本人が元気なうちに「家族信託」で費用管理の権限を子どもへ渡す 成年後見制度を利用する(ただし自由度が低い) ぱんだはうす的コメント: 認知症になる前の準備が “未来の相続トラブル防止策” です。 相談が早いほど選択肢は増えます。

 

3|相続財産の「不動産」を老人ホーム費用に使う方法 親が自宅に住まなくなる場合、次のような活用が可能です。 ① 自宅を売却して費用に充てる メリット まとまった資金が手に入る 維持コストを削減できる 相続時に分割しやすくなる 注意点 認知症発症後は売却不可(本人の意思確認が必要) 兄弟間で売却の賛否が割れやすい ② 空き家として残し、賃貸運用して費用にあてる メリット 毎月の収入が得られる 売却より感情的な反発が少ない 注意点 修繕費がかかる 地域によっては空室リスクあり ③ 家族信託で管理をスムーズにする 家族信託を使うと、 「子どもが自宅を管理・売却し、その代金を親の生活費として使う」 という運用が可能になり、介護期の資金計画が非常に楽になります。

 

4|老人ホーム費用として財産を使うことは「不公平」になる? ● 結論:正当な生活費であり、不公平にはならない 老人ホームの費用は、 入居者本人の「生活費」であり、 その支出は相続における不公平には該当しません。 しかし―― 以下のケースでは相続トラブルへ発展しやすくなります。 ● トラブルにつながるパターン どの兄弟も知らないうちに費用が支出されていた 領収書や通帳の記録が残っていない 特定の子どもだけが管理している ● 防止策 費用の「支払い記録」を必ず残す 家族全員へ定期的に報告する 家族信託・任意後見で透明性を確保 ぱんだはうす的コメント: 「見える化」するだけで相続争いの8割は防げます。

 

5|老人ホーム費用と相続を両立させる鉄則5つ ① 親の資産状況を家族全員が共有する 透明性が最重要。 ② 認知症対策(家族信託 or 任意後見)を早めに 意思能力があるうちに準備するほど自由度が高い。 ③ 不動産の活用方針を早めに決める 売却・賃貸・保有をあいまいにすると家族が揉める。 ④ 領収書・通帳管理は厳密に 「費用使い込み」の疑いを完全にブロック。 ⑤ 専門家(司法書士・税理士・不動産会社)を早期に絡める 大きな財産ほど第三者の介入が安心材料になります。

 

🐼 ぱんだはうすのひとこと 老人ホームの費用は「今の生活」と「将来の相続」が複雑に絡みあいます。 とくに不動産がからむと家族間の意見が割れやすく、 早めの準備が安心への一番の近道です。 神戸・阪神間の不動産売却や活用相談もお気軽にどうぞ。 相続不動産の実務と現場のリアル、しっかりお伝えします。

2025年12月13日