「空き家問題とは?放置のリスクと対策を不動産の専門家が徹底解説」
相続登記の義務化:概要・手順・重要ポイントを徹底解説
近年、相続した不動産の登記を放置するケースが社会問題となっています。2024年から、相続登記の義務化が施行され、相続人は不動産を取得した際、一定期間内に登記を行わなければならなくなりました。本コラムでは、義務化の背景、手順、注意点までを詳しく解説します。
1️⃣ 相続登記義務化の概要
背景 これまで相続登記は任意であり、多くの不動産が名義変更されないまま放置
行方不明者がいる不動産や、共有状態のままの不動産が増加
社会的なトラブル(所有者不明土地問題)を防ぐため、義務化が導入
法律の内容
2024年4月1日施行 相続によって不動産を取得した相続人は、相続発生から3年以内に登記を行う義務
過料(罰金)の対象となる可能性あり(正当な理由なく未登記の場合)
2️⃣ 義務化のポイント
対象となる不動産 土地・建物など全ての不動産
借地権や共有物の持分も対象 義務者
相続によって不動産を取得した全ての相続人
共有で取得した場合も、持分に応じて登記義務あり
期限 相続開始(死亡日)から3年以内
相続人が複数いる場合は全員で協力して手続きを行う
過料の可能性
正当な理由なく登記しない場合、1人あたり最大10万円程度の過料
行方不明の相続人がいる場合は裁判所手続きで対応可能
3️⃣ 相続登記の手順
ステップ1:相続人の確定 戸籍謄本を取得し、全ての相続人を確定 婚姻関係や養子縁組なども含めて正確に把握
ステップ2:相続財産の確認 登記対象の不動産を特定 不動産の評価額や抵当権、借入金なども確認
ステップ3:必要書類の準備 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書 固定資産評価証明書(税務申告用) 遺産分割協議書(相続人が複数の場合) 登記申請書(法務局用)
ステップ4:登記申請 不動産の所在地を管轄する法務局で申請 必要に応じて司法書士に依頼することで手続きがスムーズ
ステップ5:登記完了 法務局で審査後、登記完了書が交付される 登記簿に新しい所有者名義が反映される
4️⃣ 注意すべきポイント
相続人が行方不明の場合 不在者財産管理人を家庭裁判所で選任し、代理で登記申請可能 複
雑な相続関係 共有者が多い場合や、遺留分や贈与が絡む場合は専門家の活用が重要
相続税申告との整合性 相続税申告期限(10か月)と登記期限(3年)は別
期限管理を間違えないことが重要
義務化によるメリット 不動産の権利関係が明確化
将来の売却や担保設定がスムーズ
所有者不明土地問題への対策
5️⃣ まとめ
相続登記の義務化は2024年4月から施行され、3年以内の登記が法律で義務化
登記手続きには、相続人確定・財産確認・書類準備・申請の4ステップが基本
過料のリスクや手続きの複雑さから、司法書士など専門家の活用が推奨
適切な手続きで不動産の権利関係を整理し、将来のトラブルを防ぐことが可能