☆限定承認の実例から学ぶメリット

限定承認の実例から学ぶメリット|相続の損失を最小限に抑える賢い選択

相続では「プラスの財産よりマイナスの財産が多い」ケースに直面することがあります。 しかし、必ずしも 相続放棄 が最善とは限りません。 特に、不動産を保持したい・事業を維持したい・家を残したい といった事情がある場合、 「限定承認」が非常に有効な選択肢となります。 ここでは、実例を交えながら限定承認のメリット をわかりやすく解説します。

 

■ 限定承認とは? 限定承認とは、 相続財産の範囲内で負債を精算し、残った分だけ相続できる制度 のこと。 つまり、 *負債超過でも相続財産以上の返済義務を負わない *資産を残しつつリスクを限定できる という「リスク管理型の相続方法」です。

■ 実例①:オーバーローンの実家を守れたケース 父が残した自宅の評価が2,500万円。 住宅ローン残債は3,000万円で 500万円のオーバーローン。 通常は相続放棄すると家は手放すことになりますが、 子どもたちは「実家を残したい」と希望。 限定承認を選択した結果… 相続財産の範囲内でローンを整理 自宅は換価手続き後に家族が買い戻し 実家を維持でき、追加の借金は発生しない → 家を残したい場合、限定承認は非常に有効

■ 実例②:事業承継で会社を失わずに済んだケース 父の会社は借入が1億円。 しかし、事業用不動産や売掛金など換価可能な資産が8,000万円。 そのまま相続すると1億円の借金を負うリスクがあり、 相続放棄では会社が消滅してしまう。 限定承認を利用した結果… 8,000万円の資産で借金を精算 差額の2,000万円は免責 会社の事業を引き継ぎできた → 「事業は継ぎたいけど借金は抱えたくない」場合に最適

■ 実例③:遺品整理・買い戻しで財産がプラスになったケース 相続財産に価値不明な骨董品や土地がある場合、 マイナスかプラスか判断に迷うことがあります。 限定承認で手続きを進めた結果、 土地の売却益が大きく、最終的には プラスへ転じる例 も多いです。

 

■ 限定承認のメリットまとめ ◎ 1. 借金を相続財産を超えて背負わない → 最大の魅力。リスクゼロで資産だけ残せる。 ◎ 2. 不動産を手放さずに維持しやすい → 家族が買い戻すことで「家を守る相続」が可能。 ◎ 3. 事業や賃貸物件の継続が可能 → 相続放棄では消滅してしまう財産も守れる。 ◎ 4. 資産の価値が不明でもリスクヘッジができる → プラスかマイナスか判断に迷うときの安全策。 ◎ 5. 兄弟全員の合意があれば活用できる → 共同相続人全員の申述が必要だが、  合意形成ができれば強力な手段となる。

 

■ 限定承認の注意点 *申述期限は「相続開始を知った日から3か月以内」 *司法書士・税理士・弁護士との連携が必須 *換価手続きが必要で手間はかかる *共同相続人全員の同意が必要 → 専門家と連携すればメリットを最大化できる。

 

■ まとめ:限定承認は“家や事業を守る”ための賢い選択肢 限定承認は手続きこそ複雑ですが、 家族の財産・生活・事業を守るための強力な制度 です。 相続放棄と単純承認の“間”にある選択肢として、 負債リスクがある相続の場面では必ず検討すべきといえます。 ぱんだhouseでは、不動産評価や相続不動産の整理について 分かりやすくサポートいたします。

2025年12月13日