相続した空き家を放置するリスク|税金・管理・売却の大問題を徹底解説
相続した実家を「そのままにしておこう」「まだ使うかもしれないから放置で…」 このように空き家を放置するケースは非常に多いですが、実は 放置すればするほど“損失とトラブルが増える危険な財産” へと変わります。 空き家は、 税金・管理・売却価値・周囲の環境、すべてに悪影響を与えるハイリスク資産 と専門家の間でも警鐘が鳴らされています。 本コラムでは、相続した空き家を放置すると具体的にどんな問題が起きるのか、実務ベースで徹底解説します。
1|相続空き家を放置する5つの重大リスク
① 固定資産税が高くなる|“特例の喪失”という落とし穴 空き家は放置を続けると「住宅用地特例」が外れ、 固定資産税が最大6倍 になる可能性があります。 特に「管理不全空家」「特定空家」に指定されると税負担は激増。 放置期間が長くなるほど、累計税額は確実に増加します。
② 建物の劣化により資産価値が大幅に下落 空き家は人が住まないと急速に傷みます。 風通しが悪く湿気がたまる カビ・腐食・シロアリが発生 外壁・屋根・設備が老朽化 雨漏りによる構造腐食 劣化すればするほど売却価格はダウンし、 解体費用が上乗せされて“売るどころかマイナス”になります。
③ 空き家対策特措法で“行政指導・罰則”の可能性 2023年の法改正で、空き家への行政の対応は強化されました。 放置し続けると ▶ 指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行 と段階が進み、最悪解体費用を請求されることも。 さらに、管理不全空家・特定空家に指定されると 固定資産税の優遇が消滅し負担が跳ね上がります。
④ 近隣トラブルの原因になる 管理されていない空き家は周囲に迷惑を掛けやすく、実務上もトラブル相談が非常に多いです。 草木の繁茂 害獣(猫・鳥・ハクビシンなど)の住処になる ゴミの不法投棄 空き巣・放火のターゲットに たった1軒の空き家が、 周囲の治安・景観・不動産価値まで下げる要因になります。
⑤ 相続人同士の対立が深刻化する 空き家を放置するもっとも危険な点は 相続問題が長期化して争いに発展することです。 実際によくあるのは… 売りたい相続人 売りたくない相続人 修繕費を負担したくない相続人 固定資産税を誰が払うかで揉める 相続人が複数いると、空き家は共有状態になり、 1人でも反対すると売却や活用が進みません。 時間が経てば経つほど、感情の溝が深まり、 「遺産分割協議がまとまらない」という相談が多発します。
2|空き家を放置しないための“3つの現実的な解決策” ① 売却(仲介・買取)で現金化する 空き家の管理に困る相続人の多くが取る最も現実的な方法。 特に実家が遠い場合は売却が最も負担が少ないです。 現状のまま売る「古家付き」 解体して「更地販売」 即現金化できる「買取」 など、状況に合わせた方法を選べます。 ② 賃貸として活用する(ただし条件あり) 活用できる状態なら、賃貸として収益化する選択肢もあります。 ただし… リフォーム費が高い 老朽化が進んでいる物件は対応不可 相続人が複数だと賃料配分で揉める などの注意点も多いため、慎重な検討が必要です。 ③ 家族信託で管理の主体を明確にする 空き家の管理者を信託により一人に集約することで 売却の判断が迅速 修繕・管理がスムーズ 認知症リスクにも強い というメリットがあります。 相続が複雑な家庭や遠方管理では非常に効果的です。
3|ぱんだhouseが現場でよく見る“困った空き家パターン” 「10年以上放置して劣化、買い手がつかない」 「兄弟が売却に反対し時間だけが過ぎる」 「固定資産税が高すぎて維持できない」 「放置していたら行政から指導が来た」 空き家は、放置するほど負担と出費が増えます。 “住まない家は早く判断する”ことが資産を守る唯一の方法です。