境界未確定の土地を相続した場合の解決策|トラブルを避けるポイントを解説
相続した土地の中でも、特にトラブルになりやすいのが 「境界未確定の土地」 です。 境界が曖昧なまま放置すると、 売却できない 隣地と揉める 相続人同士でも判断できない 相続登記が遅れ、義務違反になる可能性 など、深刻な問題に発展することがあります。 この記事では、境界未確定の土地を相続したときに何をすべきか、どの手順で進めれば安全なのかを専門家視点でわかりやすくまとめました。
■ 境界未確定とはどういう状態? 境界未確定とは、 土地の正確な境界線が、書面・現地の両方で明確になっていない状態 のこと。 具体的には、 境界標(杭・プレート)がない 境界標がズレている 隣地所有者と境界線の認識が違う 図面と現地が一致しない 法務局で「地積更生登記」がされていない といった状況が該当します。 相続した土地でよくあるのが、 「昔の農地」「古くからの宅地」「分筆前の土地」など、 古い図面のまま長年更新されていないケース です。
■ 境界未確定の土地が引き起こす問題 ① 売却や活用ができないケースが多い 境界が曖昧な土地は、不動産会社や買主から敬遠され、 売却価格が下がる そもそも買い手がつかない 住宅ローン審査が通らない など、流通性に大きな影響が出ます。 ② 隣地とのトラブルにつながる 境界の認識が曖昧なまま相続すると、 後になって隣地から 「越境している」 「セットバックが必要」 「昔からの境界と違う」 など指摘され、トラブルに発展することがあります。 ③ 土地の実測面積が違う場合、税金や評価が不正確に 実測と公簿が違う土地は、 固定資産税評価 相続税申告 不動産売却価格 すべてに影響が出ます。 特に、面積が小さいと思っていたら実際は大きかった(=税金が増える)というケースもあります。
■ 境界未確定の土地を相続したときの解決策 ① 土地家屋調査士に「現況測量」を依頼する 最初のステップは 測量の専門家(土地家屋調査士) による現地調査です。 境界標の有無 隣地との境界認識 道路中心線の決定 公図・地積測量図との整合性 を確認し、現状の問題点を把握します。 ② 隣地所有者との立会いで“境界確認”を行う 境界を確定するには、 隣地所有者のサイン(境界確認書) が必要です。 境界の位置を確認 境界標を設置 立会いの内容を記録 双方の合意を文書化 これにより境界が明確になり、将来のトラブルを防げます。 ③ 必要に応じて「地積更生登記」を行う 測量の結果、公簿面積と違う場合は、 地積更生登記 を行うことで、 法務局に正確な面積・境界線を登録できます。 これにより、 売却がスムーズに 税務評価が正確に 相続財産評価の根拠が明確に といったメリットがあります。 ④ 境界確定後に相続登記・売却手続きを進める 境界が確定してはじめて、 相続登記 不動産売却 活用(貸す・建て替え) が安全に行えるようになります。
■ ぱんだhouseからひとこと(現場実務) 境界未確定の土地は、売却の相談でも “価値が大幅に下がる” 代表例です。 境界がはっきりしない土地に買主は非常に慎重になります。 特に古い住宅地では 越境物あり 境界標消失 隣地所有者が高齢で話が進まない など、スムーズに確定できないケースが本当に多いです。 相続後はできるだけ早く測量を行い、 境界を確定させておくことが将来のリスクを防ぎます。