☆自宅をリバースモーゲージで活用する

自宅をリバースモーゲージで活用する

高齢者の単身・夫婦世帯が増える中、老後資金の不足や長寿リスクを補う手段として「リバースモーゲージ」が注目されています。自宅に住み続けながら、住まいを担保に必要な資金を借りることができるしくみは、親の介護費用や生活費の確保にも非常に有効です。 しかし、仕組みを正しく理解しないまま利用すると、返済リスクや相続への影響が出るケースもあり、事前の知識が不可欠です。 ここでは、自宅をリバースモーゲージで賢く活用するための基本と注意点を、不動産の専門目線でわかりやすく整理します。

 

■ 1. リバースモーゲージとは? リバースモーゲージとは、 自宅を担保に銀行(または自治体)から生活資金を借り入れ、契約者が死亡した後に自宅を売却して返済する仕組み のことです。 ● 主な特徴 自宅に 住み続けながら お金を受け取れる 毎月の返済は 利息のみ(元本は死亡後に精算) 使い道は生活費、介護費用、住宅リフォームなど自由度が高い 老後資金に悩むご家族が増える中、「住み慣れた家で安心して暮らしたい」というニーズに合った制度です。

 

■ 2. リバースモーゲージが向いているケース 以下のような状況では特にメリットが大きくなります。 年金収入だけでは生活費が不足している 自宅は資産価値が高いが、預貯金が少ない リフォーム・介護・施設入居費を確保したい 子どもが遠方で支援が難しい 相続人が自宅を引き継ぐ予定がない 不動産を売却せず現金化できる点が大きな魅力です。

 

■ 3. リバースモーゲージのリスクと注意点 メリットが大きい一方、以下のデメリットも理解しておく必要があります。 ● 不動産価格の下落リスク 担保評価が下がると、借りられる金額が減ったり途中で契約見直しが必要になることがあります。 ● 金利上昇リスク 利息の負担が増え、将来の精算額が大きくなる可能性があります。 ● 相続人の同意が重要 死亡後に自宅を売却して返済するため、 相続人の生活や相続計画への影響 が大きくなります。 ● 利用できる物件が限定される 築年数が古い、担保価値が低い、地方の土地などは利用が難しいケースもあります。

 

■ 4. リバースモーゲージと相続の関係 契約者が亡くなると、 自宅売却 → 借入金の返済 → 残った分が相続財産 という流れになります。 ただし、売却価格が返済額を下回ると相続人に負担が生じる可能性もあるため、契約内容(責任限定型かどうか)の確認が重要です。 親と子どもでしっかり話し合い、相続計画とセットで考えることが大切です。

 

■ 5. リバースモーゲージと類似制度の比較 ● ① リースバック 自宅を売却し、そのまま賃貸として住み続ける方法。まとまった資金が一括で手に入る。 ● ② 不動産担保ローン 年齢制限が比較的ゆるいが毎月元利返済が必要。 ● ③ 家族信託 自宅管理を子どもが担い、柔軟な財産管理が可能。 それぞれ目的が異なるため、老後資金の使い道に応じて選択するとよいでしょう。

 

■ 6. ぱんだはうすよりひと言 リバースモーゲージは、老後の安心をつくる有効な選択肢のひとつですが、 「自宅の担保価値」「家族の同意」「相続への影響」を冷静に分析する必要があります。 ぱんだはうすでは、不動産の資産価値評価や老後資金計画、相続対策まで総合的にサポートいたします。お気軽にご相談ください。

2025年12月13日