空家特例 解体のタイミング

🏠 空き家特例の取り壊しと契約のタイミングについて
空き家特例(被相続人居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除)の適用を受けるためには、家屋の取り壊しと売買契約のタイミングが非常に重要です。2024年1月1日以降の譲渡から、特例の適用要件が拡大されています。

🏡 空き家特例とは
空き家特例とは、相続した空き家を売却した際に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。これにより、売却にかかる税金を大幅に減らすことができます。主な適用要件は以下の通りです

亡くなった方が一人で住んでいた家屋であること。

昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準の家屋であること。

区分所有建物登記がされていないこと。

相続開始から3年後の12月31日までに売却すること。

売却価格が1億円以下であること。

🔨 取り壊しと売却のタイミング
空き家特例を適用するための取り壊しと売却のタイミングは、誰が取り壊すかによって注意点が異なります。

1. 売主が取り壊す場合
空き家を売主が取り壊して更地で売却する場合、取り壊し後に売買契約を締結するのが確実です。これまでの制度では、売主が解体契約書を保有し、引き渡し時期が解体後であれば形式要件を満たしていました。

2. 買主が取り壊す場合
2024年1月1日以降の譲渡からは、売主が行う必要があった耐震工事や取り壊し工事を、譲渡年の翌年2月15日までに買主が行った場合でも特例が適用されるようになりました。 この場合、不動産売買契約書に、引き渡し前に買主が費用を負担して建物を撤去することを特約として明記する必要があります。ただし、買主による取り壊しの場合、予定通り工事が進まないリスクも考慮し、年末に駆け込みで売却すると翌年2月15日までに解体が終わらない可能性もあるため注意が必要です。国土交通省は特約の締結を推奨しており、この特約は「被相続人居住家屋等確認書」の添付書類としても利用できますが、期限までに解体が完了しないと特例は適用されません。

3. 固定資産税に関する注意点
家屋を解体すると、土地の固定資産税が上昇する可能性があります。更地にすると、それまで適用されていた住宅用地特例がなくなり、固定資産税が大幅に増えることがあるためです。 そのため、もし解体して更地で売却する計画がある場合は、1月1日を過ぎてから取り壊しを行うことが、固定資産税の負担を抑える上でベストなタイミングとされています。

2025年12月04日