住宅ローン残高と売却価格の関係

🏠 住宅ローン残高と売却価格の関係 — 売主が知らないと危険な「清算の仕組み」と実務のリアル — 住宅を売却するとき、もっとも重要なのが 「住宅ローン残高(残債)と売却価格の関係」です。 とくに、残債よりも売却価格が下回る オーバーローン のケースでは、 「売りたくても売れない…」と悩む方が非常に多く、 不動産会社の実務でも最も注意深く取り扱うポイントになります。 ここでは、一般の売主がつまずきやすい論点をまとめながら ぱんだhouse実務でのリアルに沿った深掘りコラムとして解説します。

 

🔍 1. まず押さえるべき「清算の仕組み」 家を売るとき、買主へ所有権を移すためには 抵当権抹消 が必須です。 抵当権を消すには ローンを完済することが絶対条件。 そのため、 売却価格 ≧ ローン残高(残債) であることが理想ですが、実際はそううまくいきません。

 

💰 2. 残債 < 売却価格 の場合(アンダーローン) 最もスムーズに売れるケース。 例) ローン残高:1,500万円 売却価格:2,000万円 差額:+500万円 → 売主の手元に残る この場合は 残債を一括返済 → 抵当権抹消 → 引渡し というシンプルな流れです。 さらに、 🔸仲介手数料 🔸司法書士費用 🔸引越し費用 などを差し引いても手残りが見込めます。

 

⚠️ 3. 売却価格 < 残債 の場合(オーバーローン) 今いちばん相談が多いのがこのケース。 特に郊外・地方都市では、 購入時より市場価格が大きく下がっていることも珍しくなく、 ローン残債が売却価格を上回る状況が発生します。 例) ローン残高:2,000万円 売却価格:1,500万円 不足額:500万円 この不足分は 売主自身が現金で補填する必要があります。

補填方法は主に3つ:

① 不足分を現金で支払う(自己資金精算) もっとも一般的な方法。 購入時の貯金・退職金・保険解約金などで 不足分を充当するケースが多いです。 メリット: ✔ 正攻法で最も早い ✔ 信用情報に傷がつかない デメリット: ✘ まとまった資金が必要 ✘ 手元資金がほぼゼロになる危険も

② 住み替えローンを利用する 買い替えをする場合、 旧居の残債を丸ごと新居の住宅ローンに上乗せする制度。 例) 旧居残債:500万円 新居購入:3,000万円 → 合計3,500万円を借りる ただし審査は非常に厳しく、 「安定した収入」と「高い信用力」が必須。

③ 任意売却(金融機関と協議して売る) 自己資金で補填できない場合に選択される手段。 任意売却では、 金融機関が不足分の分割返済を認める代わりに売却を許可する仕組みです。 メリット: ✔ 自己破産せずに住宅を手放せる ✔ 競売より高く売れる デメリット: ✘ 信用情報に影響が出る ✘ 金融機関との交渉が必須(専門家の腕が試される) 任意売却は「金融機関が必ず認める」わけではないため、 専門会社を通すことが成功の鍵になります。 ぱんだhouseの実務でも、 競売直前の駆け込み相談は非常に多いです。

 

📝 4. 売却時に必要となる費用一覧(残債とは別) 売主は売却代金から、次の費用も負担します: 仲介手数料 抵当権抹消登記費用 司法書士報酬 引越し費用 測量費(必要な場合) ハウスクリーニング費(任意) 「売却価格 − ローン残高 − 各種費用」で 手元に残る金額が決まります。

 

🐼 5. ぱんだhouseからのワンポイント 奈良・兵庫・大阪の郊外エリアでは 築20年以上の住宅は価格が伸びにくい傾向があります。 そのため残債が重くのしかかり、 「売却できると思っていたのに足りない!」 という相談が急増中。 早めに売却戦略を立てることで ローン残債を最小限のリスクで処理できます。

2025年12月04日