🏡 共有名義と単独名義の違いを徹底解説 ― メリット・デメリットと実務上の注意点 不動産を購入するとき、そして相続・離婚・売却の場面で必ず議題に上がるのが、 「共有名義にするか、単独名義にするか」 という問題です。 どちらを選択するかで、 売却の自由度、ローンの組み方、離婚時の財産分与、相続の複雑さなど、 後々のトラブルの大きさが大きく変わります。 本コラムでは、共有名義・単独名義の根本的な違いから、 メリット・デメリット、トラブル事例まで「がっつり」解説していきます。
■ 1. 共有名義とは? 共有名義とは、複数人(夫婦・親子・兄弟など)が持分を分けて所有する状態。 例えば、夫婦で購入すると「夫50%・妻50%」のように登記されます。
【共有名義の主なメリット】
● ① 資金計画が組みやすい(夫婦でローン併用など) 共有名義は、夫婦それぞれがローンを借りて購入しやすく、 住宅ローン控除も自分の持分に応じて利用できます。
● ② 相続の公平感を調整しやすい 生前贈与や購入協力の割合に応じて自由に持分設定ができます。
【共有名義の主なデメリット】
● ① 売却には共有者“全員”の同意が必要 一人でも反対すると売れません。 離婚・相続・兄弟の不仲などで売却が止まるケースは非常に多いです。
● ② 持分のみの売却は可能だが、買い手がほぼつかない 結果として「売れない不動産」になりやすい。
● ③ 相続が進むと共有者が爆発的に増える 3兄弟共有 → その子3人ずつ → 10人以上の共有者 という「管理不能の不動産」が実際に多数存在します。
■ 2. 単独名義とは? 単独名義とは、不動産を1人で所有する状態。 【単独名義のメリット】
● ① 売却・賃貸などの意思決定がスムーズ 所有者が1人なので、あらゆる手続きが早く進みます。
● ② トラブルが発生しにくい 相続手続きもシンプルで、分割協議も分かりやすい。
【単独名義のデメリット】
● ① 資金負担が1人に集中する 単独名義の場合、ローンも収入要件もすべて1人でクリアする必要があります。
● ② 夫婦間の貢献度による争いが起こりうる 離婚時に「実質は共同財産だ」と財産分与の請求が起こることがあります。
■ 【事例①】共有名義が原因で売却が2年遅れたケース 三田市の住宅を共有50%ずつで所有していたAさん夫婦。 離婚により売却したいが、 元夫が「価格が安い」と反対してしまい、売却が完全にストップ。 最終的に、 家庭裁判所の調停 期間2年 仲介会社も2度変更 という負担が発生。 共有名義の「同意の必要性」が足枷となった典型例。
■ 【事例②】単独名義だが「貢献度」で揉めたケース 奥様が専業主婦だったB家。 夫の単独名義で家を購入したが、離婚時に妻の主張はこうでした: 「家事育児をすべて担ってきた。住宅ローンの返済を助けたのと同じ」 結果、裁判で「財産分与の対象」と判断され、 夫名義の不動産であっても、最大2分の1を分与することに。 単独名義だからといって、必ず“完全に個人の資産になる”とは限らない。
■ 【事実】不動産の名義選択は「購入時点」がもっとも大事 購入時に 共有にする理由 単独にする理由 将来の離婚リスク 相続の発生を想定したい 親の資金援助の扱い 税金(贈与税・相続税) を整理していないと、 10〜20年後に必ず問題が表面化します。 ぱんだhouseでは、こうした名義・税金・将来リスクを まとめて診断し、最適な名義選定を提案しています。