司法書士と行政書士の違い|不動産登記で依頼すべき専門家を間違えないための実務解説 不動産の売却・相続・名義変更の相談で、 「司法書士と行政書士は何が違うの?」 という質問が非常に多くあります。 結論からいうと、 ✔ 不動産登記を扱えるのは司法書士だけ ✔ 行政書士は書類作成が中心で、登記申請はできない という明確な線引きがあります。 この記事では、2つの資格の違いを 法律上の業務範囲 不動産登記でできること/できないこと 実務での使い分け 相続+不動産売却場面での最適な依頼先 をがっつり詳しく解説します。
■ 1. 司法書士とは?|不動産登記の“専門家であり資格者代理人” 司法書士は、 不動産登記・法人登記・裁判手続きの代理などができる国家資格者 です。 特に不動産領域では、 ✔ 登記申請の代理ができる唯一の資格 という点が行政書士と明確に異なります。 ● 司法書士ができる主な業務 不動産登記(相続登記、名義変更、抵当権抹消など) 法人登記 成年後見申立て 裁判所提出書類の作成 簡裁代理権による訴訟代理(認定司法書士) 不動産取引では、 決済立会い・名義変更・抵当権設定/抹消 などで必ず司法書士が関与します。
■ 2. 行政書士とは?|許認可・書類作成のプロだが登記は扱えない 行政書士は、 役所に提出する書類作成の専門家 であり、 “手続きの幅は広いが、登記は業務範囲外” という点が司法書士との大きな違いです。 ● 行政書士が得意とする業務 相続手続きの書類作成(遺産分割協議書、相続関係説明図など) 建設業許可 飲食店許可 在留資格・ビザ申請 内容証明郵便作成 自動車登録など ● 行政書士ができないこと 不動産登記申請の代理 法務局対応 登記にかかわる実務判断 行政書士が相続の書類作成を担当し、 司法書士が登記を行うという“連携型”も現場では多いです。
■ 3. 不動産登記における「できること/できないこと」比較 手続き内容 司法書士 行政書士 不動産登記申請(名義変更) ◎できる ❌できない 相続登記の代理 ◎できる ❌できない 遺産分割協議書の作成 ◎できる ◎できる 相続関係説明図の作成 ◎ ◎ 建物表題登記(表題部) ❌(土地家屋調査士) ❌ 相続放棄の申述書作成 ◎ ◯(書類作成は可) 許認可手続き △一部 ◎幅広く対応
■ 4. 実務で混乱しやすいポイント
■(1)行政書士は“相続手続きの書類”は作れる ただしそこまで。 ✔ 登記は司法書士 ✔ 不動産売却前の名義変更も司法書士
■(2)遺産分割協議書は両方作れる → ただし、不動産が絡む場合は 登記要件を理解している司法書士の作成が安定
■(3)不動産売却の決済立会いは司法書士のみ 決済現場では、 本人確認 登記に必要な書類チェック 法務局へのオンライン申請 など、司法書士の業務が必須。
■ 5. 相続+不動産売却場面での最適な依頼パターン(ぱんだhouse流) ぱんだhouseの実務で最も多い組み合わせはこれです。 ✔ 相続書類の収集・協議書作成 → 行政書士 ✔ 不動産登記(相続登記・名義変更) → 司法書士 ✔ 売却査定や販売 → 不動産業者(ぱんだhouse) 相続は 行政書士 → 司法書士 → 不動産会社 のバトンリレーで完結する形がスムーズ。
■ 6. まとめ|不動産登記は司法書士、書類作成は行政書士 項目 司法書士 行政書士 不動産登記の代理 ◎唯一の資格 ❌できない 相続手続きの書類作成 ◎ ◎ 不動産決済立会い ◎ ❌ 許認可 △ ◎ 民事トラブル対応 ◎(簡裁代理権) △書類作成まで 不動産を扱うなら、 まずは司法書士か行政書士かを正しく選択することが重要です。