弁護士と司法書士の違い

**弁護士と司法書士の違い ―登記・相続・紛争対応の観点から徹底比較―** 不動産の売却、相続手続き、権利関係の整理を進めると、「弁護士と司法書士、どっちに相談すればいいの?」という疑問がよく出てきます。 特に不動産まわりでは、両者とも登記や法律に関わる専門家として登場するため、境界線が分かりづらいのが実情です。 ここでは、登記業務・相続手続き・紛争対応という3つの視点で、弁護士と司法書士の違いをわかりやすく整理します。

 

1|弁護士と司法書士の専門領域の基本的な違い ■弁護士 法律に関するすべてのトラブルに対応できる「法律の専門家の総合職」 裁判代理権を完全に持つ 交渉・調停・訴訟・損害賠償請求など、あらゆる法的紛争に対応可能 ■司法書士 不動産登記・商業登記・相続登記の専門家 簡易裁判所で扱う140万円以下のトラブルのみ代理可能 相続・遺言・成年後見など「権利関係を正しく登記に反映する」領域に強い

 

2|【登記】誰に相談すべき? 不動産売買や相続に欠かせない「登記」は、司法書士の独壇場です。 ●司法書士ができること 売買・贈与・相続などの所有権移転登記 抵当権抹消登記 住所変更登記 相続人調査や遺産承継業務 必要書類の作成・法務局への申請 → 登記を扱うのは司法書士。迷ったら司法書士で間違いなし。 ●弁護士が登場するケース 相続人同士が揉めていて遺産分割協議が進まない 共有不動産でトラブルが起きている 売買契約時に損害賠償・契約不履行が争点になっている → 「紛争」や「争い」があるときは弁護士の領域。

 

3|【相続】弁護士と司法書士の得意領域の違い 相続は登記だけでなく、人間関係・税務・遺産分割など多岐にわたるため、どちらに依頼すべきか迷いやすい分野です。 ■司法書士が得意な相続 相続登記の手続き 相続関係説明図の作成 遺産承継業務(預金解約などの代理) → 争いがない“円満相続”なら司法書士が最適。 ■弁護士が必要な相続 相続人間のトラブル(遺産分割協議の対立) 遺留分侵害の請求 遺言書の無効主張 財産の使い込み疑惑などの紛争 → 感情的な衝突を含む相続は弁護士でないと対応不可。

 

4|【紛争対応】弁護士が必要になる場面 司法書士は簡易裁判所の訴額140万円以内の案件のみ代理できます。 それ以上の金額や、複雑な訴訟は弁護士にしか扱えません。 ●弁護士に相談すべきケース例 不動産売買トラブル(欠陥住宅・契約解除・損害賠償) 共有不動産の強制競売 賃貸トラブル(立退き・敷金返還の紛争) 相続における争い(遺留分請求・調停・訴訟) → 「誰かと争っている」「裁判の可能性」があるなら弁護士一択。

 

5|ぱんだhouseが現場で感じる『上手な専門家の使い分け』 不動産の現場では、まず司法書士に登記まわりを丸ごと依頼するのが一般的。 問題が揉め始めた段階で、弁護士と司法書士が連携して対応するケースが増えています。 ぱんだhouseでは、 円滑な取引 → 司法書士 交渉・紛争対応 → 弁護士 という役割分担をおすすめしています。 特に相続不動産は、早めに専門家を入れることでトラブルを未然に防ぎ、スムーズな売却・名義整理へとつながります。

 

まとめ 項目 弁護士 司法書士 登記 × ◎(専門領域) 相続手続き 争いあり → ◎ 争いなし → ◎ 紛争対応 ◎(制限なし) △(簡裁140万円以下のみ) 不動産売買トラブル ◎ △(書類作成のみ) 相談のタイミング 争いや交渉が絡むとき 名義変更・手続きのとき

2025年12月13日