相続放棄の手続き|ケーススタディでわかる流れ・注意点・成功のポイント
相続では、「借金が多い」「関係が薄い親族の財産を引き継ぎたくない」「不動産の管理ができない」など、相続放棄が最適解となる場面が多くあります。 しかし、相続放棄には 期限(3ヶ月以内) と正確な 家庭裁判所の手続き が必要なため、事例を通して理解することが非常に大切です。 ここでは、相続放棄が実際に選ばれたケーススタディを交えながら、手続きの流れと注意点をわかりやすく解説します。
■ ケーススタディ①:親の借金が多く相続放棄を選択 ● 状況 父が急逝。 ・消費者金融の借入 300万円 ・税金滞納 50万円 ・不動産なし ・相続人:母と子2名 ● 判断 負債が多いため、家族は全員で 相続放棄を選択。 ● 手続きの流れ 死亡から45日目に相続放棄の相談 家庭裁判所へ申述書を提出 戸籍謄本など必要書類を追加提出 申述受理通知書が届く ● 結果 ・借金の支払い義務なし ・後順位の相続人への連絡もスムーズ → 早期相談が功を奏した典型例
■ ケーススタディ②:疎遠な親族の相続を放棄するケース ● 状況 10年以上会っていない伯父が死亡。 ・遺産:古い空き家(再建築不可) ・自治体から管理を求められる可能性 ・相続人は兄弟3名 → その次が依頼者 ● 判断 空き家の管理や税負担を避けたい → 相続放棄が最適。 ● 注意点 ・相続開始を知った時点から3ヶ月以内 ・疎遠な場合でも“知った日=期限の起算点”に注意 ● 結果 家庭裁判所で受理され、空き家の管理義務から解放。 → 再建築不可物件・空き家相続で多い相談パターン
■ ケーススタディ③:兄弟が相続放棄をした結果、順番が回ってきたケース ● 状況 祖父の相続で、長男(父)が放棄 → 次に相続権が孫(依頼者)へ。 ・古アパート(空室多数) ・修繕費が過大 ・負債はなしだが維持コスト高 ● 判断 維持・修繕が困難であるため、孫も 相続放棄を選択。 ● ポイント ・前の順位の相続人が放棄すると、次順位に相続権が移る ・「知らないうちに相続人になっていた」という相談が多い ● 結果 相続放棄が受理され、修繕リスク・空室トラブルから解消。
■ ケーススタディ④:負債は不明だが放棄でトラブル回避できた例 ● 状況 父が自営業で取引先との債務が不明。 ・店舗兼住宅(築古) ・事業取引の未払いがある可能性 → いざという時のために安全策を取りたい ● 判断 相続放棄をして、後から出てくる負債リスクをゼロに。 ● 結果 後日、取引先から「請求書の見落としがあった」と連絡があり、 相続放棄をしていなかった場合は返済義務が発生していた案件。
■ 相続放棄の手続きの流れ(わかりやすく整理) ① 期限確認(相続を知った日から3ヶ月以内) ② 必要書類の収集(戸籍謄本・申述書など) ③ 家庭裁判所へ提出 ④ 補正・追加書類の提出 ⑤ 受理通知書の到着 ⑥ 後順位相続人への連絡 ※不動産がある場合は、相続放棄しても「相続人ではない」ため管理義務は軽微になる。 ■ よくある失敗パターン ✖ 家の荷物整理をしてしまった → 単純承認扱いのリスク ✖ 相続財産の一部を使ってしまった ✖ 期限を過ぎてしまった ✖ 相続放棄=不動産の管理が一切不要と誤解 相続放棄は、“少し触っただけでも承認とみなされる”場合があるため注意。
■ ぱんだhouseが多い相談ベスト3 「空き家の相続を避けたい」 「借金の有無がわからないのでリスクをとりたくない」 「後順位相続人になったが引き継ぎたくない」 不動産・空き家の価値評価や処分相談も含めて一緒に整理できるため、 相続放棄か限定承認かの判断材料としても役立ちます。