未登記建物の売却|ケーススタディで学ぶ名義・登記の落とし穴と解決策
不動産売却の現場では、「建物が未登記だった…」 という相談が意外なほど多くあります。 未登記といっても違法ではありませんが、売却時には 名義不明・築年数不明・金融機関の確認不可 など、取引の根幹に関わる問題を生むため、適切な手続きが必須です。 今回は、ぱんだhouseが実際に向き合う売主の悩みに近い ケーススタディ形式 で、未登記建物の売却ポイントを徹底解説します。
■ ケーススタディ:未登記の母屋+増築部分を売却したい
● 【背景】売主A様の状況 30年前に父が建てた自宅だが 建物登記がされていない その後、10年前に夫がDIYで 増築(6畳) → これも未登記 相続登記は済み、土地はA様名義になっている 売却査定をすると相場より買い手の反応が悪く不安に… ぱんだhouseの調査により、問題点が明確に。
● 未登記による4つのリスク 建物の所有者が登記簿上で確認できない 金融機関の担保評価ができず、買主のローンが組めない可能性 増築部分が建築基準法の検査・確認済証と不一致 表題登記をしないと固定資産税の算定や建物価値算出が曖昧
■ 解決の流れ|未登記建物の売却は「表題登記」が出発点
① 土地家屋調査士による現地調査 建物の構造(木造・軽量鉄骨など) 建築面積・床面積の測量 増築部分の時期・構造の確認
② 必要書類の収集 建築時の資料(なければ問題なし、現況で作成可能) 相続の場合は戸籍・相続関係説明図
③ 建物表題登記を申請 登記完了:おおむね 2週間前後
④ 所有権登記へ移行(司法書士) 売却前に所有権の登記名義を確定させる 必要であれば相続関係の整備も実行
■ ケーススタディの結末|売却成功までのポイント
● 1. 表題登記+増築部分の合法性チェック 増築部分は 建築確認が必要な規模ではなかったため合法建築 と判断。 表題登記の際に一体として登記することでクリア。
● 2. 登記後、売却活動を開始 未登記リスクが解消されたことで… 買主の住宅ローン審査が通る 査定額が 約120万円アップ 売却期間も短縮
● 3. 売主A様のメリット 名義不明の不安が解消 将来の相続時にも建物の扱いが明確に 価格交渉で不利にならなかった
■ 未登記建物の売却でよくある疑問
● Q1:未登記は違法ですか? → 違法ではありません。 ただし売却・融資・相続で ほぼ確実に手続きが必要 になります。
● Q2:表題登記にかかる費用は? 20万~35万円(建物の規模により変動)
● Q3:建物が古すぎる場合は? → 解体して土地売却する選択肢も有効。 固定資産税のメリットや再建築条件も考慮します。
■ まとめ|未登記建物は「調査」「登記」「売却戦略」で結果が変わる 未登記建物は、 そのままでは売れない/値段が下がる/ローンが通らない という“見えないリスク”を抱えています。 しかし、正しく調査し、表題登記・名義整理を行えば、 価値を落とさず売却できる可能性が大きく上がります。 ぱんだhouseでは、 土地家屋調査士・司法書士と連携し、売主の負担を最小限にしつつ 最適な売却ルートを提案しています。