相続の基本を徹底解説！初心者がまず知るべき10のポイント 相続は「いつか必ず来る問題」ですが、いざ直面すると 「何から手をつければいいのか…」と戸惑う方が非常に多い分野です。 特に不動産相続は手続きの多さ・税金・兄弟間の話し合いなど、 複雑さが一気に押し寄せてくるため、基礎知識の理解が最も重要です。 ここでは、相続が初めての方でも理解しやすいように、 初心者が最初に知るべき10の必須ポイントを詳しく解説します。
1. 相続は“亡くなった瞬間”にスタートする 相続の開始日は、法律上 被相続人が亡くなった日＝相続開始日。 遺産分割協議・相続税申告の期限もここからスタートします。 ▼期限の目安 相続税の申告・納付：10ヶ月以内 遺留分侵害額請求：1年以内 相続放棄：3ヶ月以内 知らずに遅れると、後から大きな損失につながるため要注意。
2. 相続財産は“プラス”と“マイナス”の両方ある 相続できるものは財産だけではありません。 負債（借金）や税金の未払いもすべて相続対象です。 代表的な相続対象 現金・預貯金 不動産（土地・建物） 株式・投資信託 生命保険金（扱いは非課税枠あり） 借金・ローン残債 未払いの税金 不動産相続では、古い空き家や老朽化した建物など 後から費用がかかる“負動産”があることも少なくありません。
3. 相続人は「法定相続人」によって決まる 誰が相続人になるかは民法で決まっています。 代表的な法定相続人の優先順位 配偶者＋子 配偶者＋父母 配偶者＋兄弟姉妹 相続争いの多くは、 「誰が相続人なのか」 「どの割合で相続するのか」 を理解していないことが原因です。
4. 遺言書がある場合は“最優先”で確認する 遺言書には大きく3種類あります。 自筆証書遺言 公正証書遺言（最も安心）」 秘密証書遺言 遺言書の内容が有効であれば、原則として 法定相続よりも遺言書の指示が優先されます。
5. 不動産相続は“相続登記”が義務化されている 2024年4月から相続登記は 義務化。 3年以内に相続登記をしないと、10万円の過料が科される可能性があります。 相続登記を放置すると… 売却できない 物件を担保にできない 空き家問題が悪化 兄弟の世代にまでトラブルが発生 不動産を相続したら、最優先で進めるべき手続きです。
6. 不動産の評価額は「路線価」で決まる 相続税の計算では、実勢価格ではなく **路線価（国税庁が毎年発表）**で評価します。 市場価格より低めになることが多い 地形・間口・奥行などの補正あり アパートやマンションは「評価減」がある場合も 不動産を多く持つ家庭では 評価方法が節税の鍵を握ります。
7. 相続税がかかるのは“課税ライン”を超えた場合だけ 相続税はすべての相続に課税されるわけではありません。 基礎控除があるため、多くの家庭では課税されないケースも。 基礎控除額 3,000万円＋600万円×法定相続人の数 例）相続人3人 → 3,000万円＋1,800万円＝4,800万円 不動産の価値が高い場合は課税対象になりやすいため、 早めの試算が必須です。
8. 相続放棄は“3ヶ月以内”に判断が必要 相続放棄とは、相続人の資格を放棄すること。 借金が多い場合や負動産の相続を避けたい場合に有効です。 ただし、一度放棄すると撤回はできません。
9. 不動産相続は “売る・貸す・住む” の3つの選択肢がある 特に不動産相続で迷うのがこの3択。 ■ 売却 ・税金や固定資産税の負担から解放 ・現金化して分けやすい → 相続人同士の揉め事を回避しやすい ■ 賃貸 ・毎月の収入になる ・管理や修繕の手間が発生 ■ 自分たちが住む ・生活拠点として活用 ・リフォームコストが必要な場合も 不動産は状況によりベストな選択肢が変わるため、 専門家の査定・分析が重要です。
10. トラブルの8割は「情報不足」と「話し合い不足」から起こる 相続トラブルは身近な人間関係が絡むため、 感情的対立に発展しがちです。 よくある原因 財産の全体像を把握していない 不動産の価値がわからない 遺言書がない 兄弟間で情報共有できていない 誰かが勝手に手続きを進める これらを避けるには、 相続が発生したらすぐ専門家に相談し、情報を“見える化”することが最重要。
まとめ：相続の基本は“最初の10ポイント”で9割が理解できる これら10ポイントを押さえておけば、 相続の全体像を理解でき、失敗を大幅に減らすことができます。 特に不動産相続は「売却」「活用」「相続税対策」など選択肢が多く、 判断を誤ると数百万円単位の差が出るため、早めの動きがカギになります。