戸籍収集の落とし穴!相続手続きで必要な書類とは
相続手続きの中でも、特に多くの人がつまずくのが「戸籍収集」です。 銀行解約や不動産相続登記、相続税申告など、ほぼすべての相続手続きで必須となるにもかかわらず、必要な戸籍の範囲を誤解しているケースは非常に多いのが実情です。 ここでは、相続手続きに必要な戸籍の種類、収集のポイント、よくある落とし穴をわかりやすく整理します。
■ 1. 相続で必要となる戸籍は“出生から死亡まで”すべて 戸籍収集で最も誤解が多いのが、死亡時の戸籍だけ提出すればよいと思ってしまうことです。 しかし、実際には以下が必要です: ▼ 必要な戸籍のセット 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍 現在の戸籍(戸籍謄本) 改製前戸籍(平成 or 昭和改製による古い戸籍) 除籍謄本(死亡により除籍されたもの) 相続人全員の現在戸籍 なぜ出生からすべて必要なのか? 相続人を確定させるためには、 「出生時点から死亡までの全期間、どの親から生まれ、結婚・離婚・子どもの有無などがどう変遷したか」 を確認する必要があるためです。
■ 2. よくある落とし穴:戸籍は“市区町村をまたがっている”ことが多い 日本では転籍(本籍移動)が容易なため、 亡くなった方が複数の市区町村に戸籍を持っているケースは非常に一般的です。 ● 例:Aさんの戸籍履歴 若い頃:大阪市に本籍 結婚後:神戸市へ転籍 60歳で:西宮市へ転籍 → 死亡時の戸籍だけでは情報が揃わない そのため、出生地の市役所から順番に取り寄せる必要があります。
■ 3. 改製原戸籍は取得が難しい?古い戸籍の“文字が読めない問題” 戸籍は過去に数回改製が行われているため、 古い原戸籍は手書き・旧字体で、 読みにくい・判別しにくいことが多く、これも相続手続きが遅れる原因です。 ・兄弟がいたのか ・婚姻歴があるか ・認知した子がいるか といった重要情報が古い戸籍にしか記録されていないことも多く、読み取るのが難しければ専門家に依頼するメリットは大きいです。
■ 4. 不動産の相続登記では必要書類がさらに追加される 2024年4月から相続登記が義務化され、 相続から3年以内の登記申請が必須になりました。 以下が不動産相続登記で必要な書類: ■ 必要書類一覧(代表例) 被相続人の出生~死亡までの戸籍一式 相続人全員の現在戸籍 住民票の除票(被相続人) 戸籍の附票(本籍移動の追跡に利用) 相続関係説明図 遺産分割協議書 固定資産評価証明書 特に 戸籍の附票 は本籍地の移動履歴がわかるため、 戸籍収集を効率的に行う際に非常に役立ちます。
■ 5. 相続手続きで戸籍収集を失敗するとどうなる? ● 銀行の口座解約ができない 必要な戸籍が揃わないと各金融機関で手続きが止まります。 ● 相続登記が遅れ「10万円の過料」対象に 相続登記をしないまま放置すると、 過料(罰金)を科される可能性があります。 ● 相続税申告の期限に間に合わない 戸籍収集が遅れると財産調査が遅れ、最悪、 延滞税や加算税が発生するリスクも。
■ 6. 戸籍収集は専門家への依頼で“最短・確実”になる 戸籍収集は時間がかかり、内容の読み取りも難しい作業です。 特に本籍地が複数にわたる場合は、 行政書士・司法書士に依頼したほうが圧倒的にスムーズになります。 専門家なら: 本籍の追跡 改製原戸籍の取得 戸籍内容の読み取り 相続人の確定 登記・名義変更までの一括サポート まで対応可能です。