☆相続人が行方不明のときの対処法

相続人が行方不明のときの対処法

相続手続きを進める際、相続人の一人が行方不明で連絡が取れない場合は非常に困難な問題となります。 相続手続きは全相続人の同意が基本のため、行方不明者がいると遺産分割協議が進まないケースが多いです。 ここでは、行方不明の相続人に対する法的な対処方法や実務上のポイントを詳しく解説します。

 

1. 行方不明の相続人とは? 行方不明者とは、長期間(通常7年以上)居場所や生死が確認できない相続人を指します。 単に連絡が取れないケースから、災害や事故、家出、海外滞在など様々な背景があります。

 

2. 行方不明の相続人がいる場合の問題点 遺産分割協議が全員の同意が必要なため進まない 不動産の名義変更や相続登記ができない 相続税申告や遺産分割調停が滞る可能性 相続分の取得が不明確になり、他の相続人の権利行使に制限がかかる

 

3. 法的な対処法 (1) 失踪宣告の申し立て 家庭裁判所に対し、行方不明の相続人について**「失踪宣告」**を申し立てる方法があります。 7年間生死不明の場合に申し立て可能 失踪宣告が認められると、死亡とみなされ相続手続きが可能になる ただし、行方不明者が戻った場合はその権利回復が認められる (2) 不在者財産管理人の選任 行方不明者の財産を管理するために裁判所が選任する「不在者財産管理人」を利用し、相続手続きを進める方法です。 財産管理人が遺産分割協議に参加できる 管理人の同意を得て手続きが可能になる

 

4. 行方不明者の相続分はどうなる? 失踪宣告がない限り、行方不明の相続人も相続分は法的に存在します。 したがって、他の相続人が勝手に分割・処分することはできません。 このため、早期に失踪宣告や財産管理人の選任を検討する必要があります。

 

5. 実務上の注意点と手続きのポイント まずは行方不明者の戸籍の附票や住民票除票を取得し、最後の住所を確認 可能なら役所や警察に所在調査を依頼する 家庭裁判所への失踪宣告申立ては、必要書類が多いため専門家(弁護士・司法書士)に相談を 不在者財産管理人の選任も手続きが複雑なため、専門家の支援が望ましい 6. まとめ 相続人の行方不明は相続手続きを停滞させる大きな壁です。 失踪宣告の申し立てや不在者財産管理人の活用など法的手続きを活用し、早期に問題解決を図ることが重要です。 手続きは複雑なので専門家に相談しながら進めることを強くおすすめします。

2025年12月13日