二次相続で税金が増える理由と防ぐ方法
1. 二次相続とは? 二次相続とは、配偶者が被相続人(第一の相続人)から財産を相続し、その後配偶者が亡くなった際に発生する相続のことを指します。 一次相続のあとに発生する相続のため「二次相続」と呼ばれます。
2. なぜ二次相続で税金が増えるのか?
(1) 配偶者控除の影響が薄れる 一次相続では、配偶者が相続する財産に対して「配偶者の税額軽減」が大きく適用され、実質的に税負担が軽減されます。 しかし、配偶者が亡くなった際の二次相続では、この配偶者控除が使えず、財産全体に対して課税されるため税負担が増加します。
(2) 財産評価の増加 一次相続後に財産が増加した場合(運用益や不動産価値の上昇など)、二次相続の対象財産はさらに膨らみ、税金が高くなるケースが多いです。
(3) 小規模宅地等の特例適用の喪失 小規模宅地等の特例は、一次相続で適用されることが多いですが、二次相続で適用条件を満たさない場合、特例が使えず評価額が高くなり税負担が増します。
3. 二次相続で税金を増やさないための防止策 (1) 生前贈与の活用 生前に財産を子や孫に贈与しておくことで、二次相続時の財産を減らし、相続税の総額を抑えることが可能です。 (2) 遺言書や遺産分割協議の工夫 遺言書で分割方法を指定したり、相続人間で協議して納税額を最小化する分割案を検討すると効果的です。 (3) 家族信託の活用 家族信託で財産管理を事前に設定し、財産の承継計画を明確にすることで二次相続の税負担軽減が可能です。 (4) 生命保険の活用 生命保険金は一定額までは非課税となるため、納税資金の確保と税負担の緩和に役立ちます。
4. まとめ 二次相続では、配偶者控除が使えなくなることや財産増加、特例喪失などが原因で税負担が大きくなりやすいです。 生前贈与や遺言、家族信託などの適切な対策を早期に行うことが、二次相続の相続税増加を防ぐポイントになります。 税理士や専門家と連携し、二次相続のリスクをしっかり管理しましょう。